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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1986
塔86 1/1 3–4ページ

なぞに包まれた,黙示録の騎士

馬がたてがみと尾を風になびかせ,鼻息を荒くしながら,岩はだのごつごつ出た山の斜面を,ひづめの音高く降りて行く光景は,見る人の心を魅了します。頑丈な体つきの乗り手は脈動する馬の体の一部でもあるかのように,鞍にぴったりはり付いているかに見えます。

オーストラリアの高地にある牧場を訪れようと,地球の反対側にあるアメリカの平原の牧場を訪れようと,自分の馬を本当によく知っている乗り手を見ると思わず見とれてしまいます。高度に訓練された馬とそれに乗る人の華麗な行進も,やはり同じように壮観です。

そのような乗り手とその馬も人に感銘を与えますが,啓示(黙示録)の書の筆者が目撃した馬とそれに乗る者を見ると胸が躍ります。畏怖の念を起こさせるだけでなく,なぞに包まれています。それらの騎士は,“黙示録の騎士”として広く知られるようになりました。

では,4人の熟練した騎士が馬にまたがり,地響きを立てながらこちらに突進して来る情景を頭の中に描いてみてください。そのうちの一人は剣をさえ振り回しています。その4人が乗っている馬の色に注目してください。それぞれ違う色をしています。一頭は白,もう一頭は赤,別の一頭は黒,そして病的な緑色がかった黄色の馬もいます。確かに,不思議な,なぞに包まれた光景です。

聖書筆者,使徒ヨハネの見た事柄に関する,息もつかせない記述を追ってみることにしましょう。ヨハネはこう述べています。「そして見ていると,見よ,白い馬が出てきた。そして,それに乗っている者は,弓を手に持っており,また冠を与えられて,勝利の上にもなお勝利を得ようとして出かけた。……すると今度は,赤い馬が出てきた。そして,それに乗っている者は,人々が互に殺し合うようになるために,地上から平和を奪い取ることを許され,また,大きなつるぎを与えられた。……そこで見ていると,見よ,黒い馬が出てきた。そして,それに乗っている者は,はかりを手に持っていた。すると,……声が,こう言うのを聞いた,『小麦一ますは一[日分の賃金]。大麦三ますも一[日分の賃金]』。……そこで見ていると,見よ,青白い馬が出てきた。そして,それに乗っている者の名は『死』と言い,それに黄泉 [ハデス]が従っていた。彼らには,地の四分の一を支配する権威,および,つるぎと,ききんと,死と,地の獣らとによって人を殺す権威とが,与えられた」― 啓示 6:2-8,日本聖書協会 口語訳聖書。

この幻が最初に書き記されて以来,それを読む無数の読者はそれが何を意味するか,頭を悩ませてきました。これらのなぞに包まれた馬とそれに乗っている者は何を表わしているのでしょうか。これらの者たちはいつから馬に乗って行進し始めたのでしょうか。この者たちが乗り進むことは,今日の生活と何らかの関係があるのでしょうか。馬とそれに乗っている者たちが何を表わし得るか,そしてそれに乗っている者たちが実際に乗り進むようになったのはいつかについては,種々様々な説明が試みられてきました。

見解の相違が最も大きいのは,白い馬とそれに乗っている者についての解釈です。例えば,「新カトリック百科事典」は,白い馬は『福音あるいは帝国主義の勝利』を表わしている,と説明しています。

ユライア・スミスは,「ダニエルと啓示」という本の中で,次のように解説しています。「白い馬……は1世紀における福音の勝利を表わすのに打って付けの象徴である。……馬の白さは,その時代における信仰の清さを表わしている」。

「解説者の聖書」にはこう述べられています。「最初の馬に乗っている者により,個人としてのキリストではなく,キリストの運動が我々に紹介されている。それはその勝利の進展の初期の段階における運動であり,その将来の勝利の約束を伴っている。……この運動がこの世の中にあり,この王国が我々のただ中にあり,それに反対する者たちが敗北によって打ちのめされることを我々は知っている」。しかし,ユダヤ人キリスト教財団のウッドロー・クロルは,白い馬に乗っている者は反キリストだと考えています。

中には,4頭の馬とそれに乗っている者4人だけではなく,5頭の馬とそれに乗っている5人の人がいると言う人もいます。では,数ある解釈のうちどれが正しいのか,どうしたら分かるでしょうか。正しい理解の仕方が確かにあると,どうして断言できるのでしょうか。これらなぞに包まれた黙示録の騎士は一体だれなのでしょうか。そして,その騎士たちはいつから馬を乗り進めるようになったのでしょうか。

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